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リヴァープレス社
●家と人。NET ●リヴァープレス社 TOP ●片言隻句(住まい編) 編集室●〒020-0002 岩手県盛岡市 桜台2-15-6 TEL019-667-2275 FAX019-667-2257 取材対象があっての原稿書きは訓練を積んできたつもりですが、一人称で書く原稿は慣れていません。練習台のつもりでこのブログを始めました。これまでお世話になった方々へ、感謝の気持ちを込めて書く文章が多くなりそうです。ご笑読くだされば幸いです。 ◎「家と人。」編集長 加藤大志朗 DAISHIRO KATO 以前の記事
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ライフログ
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ターシャ・テューダの番組を2夜続けて観た(BShi)。 東京ドーム20個分もの広さを誇る庭園の美しさもさることながら 91歳の彼女から静かに語られる言葉が美しい。 最初は、へえ、ほお…とテレビを眺めているだけだったが すぐにメモを取り出し、言葉を書き留めた。 世界中のガーデナーたちが憧れる庭。 世界中の子どもたちが魅了される絵。 その庭を創り上げるのに30年もの歳月。 いまも、毎日手入れを欠かさない。 感動した場面があると、その場でスケッチを描く。 写真からスケッチをおこすのでは「目の働きが悪くなる」という。 観察眼を養うためのスケッチだ。 いちばん心に残った言葉が「何ごとにも、近道を選ばないこと」。 16歳のときに、パンづくりのコンテストで優勝。 以来、心に決めているという。 時間をかければかけるほど、その過程に愛情が注がれるから──。 遠回りばかりしているのと、近道を選ばないこと。 それって同じだろうかと 考えているうちに、番組は終わってしまった。 ▲ by riverpress | 2007-01-31 23:24
27日。 秋田県大仙市(旧大曲市)のさとう美装建設主催のセミナーで講演。 一般の方々をはじめ、同社の全従業員、協力業者さん65名が参加。 家と人の会主催のセミナーでも何度もお会いしている社長さんと息子さん。 ゆったり言葉を交わしたのは初めてだったが お顔の通り、やさしく真面目な方々。お話ししていても心地よい。 人口10万規模の街で、年間10棟は立派なもの。 大半が地元産秋田杉を8割以上使った伝統構法、次世代基準クリアの建築。 息子さんの世代でも、頑張っていただきたい。 懇親会に少しだけ出て、19:36発の新幹線で帰盛。 28日。 電力会社主催のセミナー。奥州市Zホール(会議室)で講演。 日曜日というのに、参加者は20名以上。新聞広告だけで集まったという。 30代の若いご夫婦から70代まで幅広い年齢層。 弊誌読者も3分の1ほどいたので、とても嬉しい気分になる。 2時間ぎっしりお話させていただいたが その後も質問が相次ぎ、熱い雰囲気のなかで終了。 2部で講演されたイオテ銀行支店長の話も興味深かった。 夕刻、主催者の方々、銀行支店長さんも交えて軽く一献。 いろんな分野のプロフェッショナルのノウハウとエネルギーをつなぎ合い、 暮らしに希望の持てる社会になっていければ、と素朴に思う。 29日──ダウン。 ▲ by riverpress | 2007-01-29 17:21
25日。 岩手県内の先進工務店57社が集う会合に参加。 盛岡グランドホテル。 山形県鶴岡市の親和創建・I社長とO専務が講演。 後半は、ぼくがパネルディスカッションの進行役をさせていただいた。 二人のお人柄がそのまま出た素敵な話に 会場のみんなが、ウンウンと、いい顔でうなずいていた。 集まった約3分の1以上が、すでにおつきあいのある会社であった。 宴席に入り、たくさんの方々にご挨拶。 入れ替わり立ち替わり、隣りの椅子に座ったり、肩を叩き合ったり。 みなさん、ほんとに気を許した顔で、話しかけてくれる。 「俺、 カトーさんとは、マブだからよお」といった声も 後方から聞こえたりして、まるで同窓会のような雰囲気でもあった。 マブ…なんて、最高の褒め言葉だ。 不安材料だけを抱え『家と人。』をスタートして丸6年。 創刊前後だけでも、30社以上の企業を訪問し、創刊の意図を伝えて歩いた。 その9割に「こんな文字だらけで、薄っぺらな本など…」とハナで笑われた。 ページの少なさを指摘する相手には、内容の濃さを理解してほしいと訴えた。 コンビニに配本するなら協賛するといった企業には、 コンビニで本を買うような読者は相手にしたくない、と答えた。 お願いに行ったはずが 結局は、反論ばかりして帰ってくるような「営業」ばかりした。 6年がたち、いまは150社を超える 全国のビルダーや建築家の方々との縁をいただいている。 この日も、お会いして、アハハハ…と、 ともに笑うことができる人が増えたのは、自分の力では決してなく この人たちの大人げに、 ぼくのような半端者が許されてきたからだと気づかされる。 正直に地道に、この人たちに 向き合っていくことしか、恩返しの方法はないと思っている。 ▲ by riverpress | 2007-01-26 20:31
ここ数か月は、朝食を抜いて、朝は生姜入りの紅茶を2杯。 体重は66キロで落ち着いた。去年の今頃は、70キロ前後だった。 10時には小腹がすいて、コーヒーとおやつを少々。 ここ数日、Eさんから頂戴したチョコを一口食べる。 最高のコーヒータイムだ。 ありがとうE さん! と心のなかで呟いて食べると、もっとおいしくなる。 11時半を過ぎると、いよいよおなかがグーッと鳴ってくる。 12時きっかりに留守電にし、NHK・FMをつけて、お弁当の時間。 取材がなく、事務所で写真の現像をしたり、 原稿を書くと決めた日のメリハリは、こんなものでしかない。 この単純さに プラス思考や生き甲斐や幸福など 意味づけをする行為を、迷いというのだろう。 自分の場合は、 ただただ仕事をさぼりたいゆえ、メリハリがあってもなくても苦しい。 ▲ by riverpress | 2007-01-23 22:27
T社の東京本社と仙台支店から来客、一献。 数の正義と思いの論理の交差。 ぼくには、どちらが正しいのかわからないまま。 勝ち組、負け組──という軸での 評価でいえば、ぼくなどは圧倒的な負け組。 正義には、いつも混乱させられる。 甘い自分だけが浮き彫りとなった時間であった。 大人にならないと。 ▲ by riverpress | 2007-01-23 00:19
何度か活字にしたこともあるのだけど 以前、インドを旅したときのこと。 1日わずか20ルピー(当時のレートで1ルピー=約30円)程度の予算で ムンバイやデリーといった大都市をはじめ 名もないような小さな村まで一人で旅したことがあった。 ときには、ハリジャン(路上生活者)たちのテントで寝たこともあった。 テントの前をめがけて通行人が捨てていく残飯を 彼らは丁寧に土と食物の部分とを分け「ゲスト」のぼくに与えてくれた。 他のハリジャンより少しでもお恵みを多くもらえるよう、 ときに、自分の肢体を 切断してしまうほどの厳しい競争社会が、そこにあった。 にもかかわらず、彼らの多くは 言葉も通じず、いきなり訪れてきたぼくのような人間にも 親のようにやさしかった。 そうしてぼくは赤痢に罹り、帰国後さらに肺炎を併発して、 長い間、地元の保健所の監視下に置かれることとなる。 このときの薬の副作用で、面白いほどにバラバラと髪が抜けた。 大学を経て社会人となり、盛岡に移住しフリーになって やがて会社を興して現在に至るが あのインドの旅以来、 ぼくのなかには「中間」がすっかりなくなったような気がしている。 不自由で貧しいけれどモノも地位も持たずに生きている あのハリジャンたちへの憧憬と畏怖。 この対極のなかで彷徨いながら、 結果として、いまは、目に見える自由とゆたかさを選んでいる。 しかし、そのゆたかさはとてもとても脆い。 いまも、家族と離散し、一文無しになって、 一人で路上で暮らす自分の夢をたくさん見るし、 数か月仕事を休むだけで、 事実、それに近い状況となる厳しい現実も、すぐそばにある。 ハリジャンたちの笑顔と苦悩が、 常時、自分のなかで同居しているような状態である。 怖いから金を得て、モノを持つ。 それが増えれば増えるほど、失うことが恐怖となる。 もっと、もっと、もっと──。 十分に抑制はしているつもりだが、 少なくとも、インドを旅したときのぼくは、ここにはいない。 いまになって、自分の創ってきた調和を 根本から揺さぶりたい、 そんな衝動が胸の奥から突き上げてくることがある。 それでも懲りずに、数年後、2度目のインドでめざしたガンジス河畔。 それも、間近の街で病に倒れ、実現することはなかった。 そのとき、街の寺院で僧侶にいわれた 「ガンジスはまだ君を招いてはいないのだ」というあの言葉は いまの自分にそのままあてはまるような気がして 時々、大声で叫びたくなるほど自分がいやになる。 例えば、親友から ガンという病魔に立ち向かう強い意志を告白された、今日のような日。 ぼくの築いてきた危ういものなど 少しの役にも立たないことを改めて突きつけられ こんなところに、殴り書きしかできない自分と、向き合うほかはない。 ▲ by riverpress | 2007-01-21 22:27
午前、盛岡市内の靴職人を取材。 58年間、手製で通してきたT靴店のTさんである。 撮影は、ぼくたちがもっとも信頼を寄せるMカメラマンに依頼。 ぼくはというと偉そうに、 今日はノートも開かず、腕を組んで現場を見ているだけだった。 工程や技を輪切りにし、 こだわりのあれこれを抽出するのはやめにしよう。 Tさんという人の輪郭だけをあぶり出す──。 今日はこのことだけを取材・撮影の軸とした。 無口なTさんに必死で向き合うライターとカメラマンの姿にも、感動。 それぞれの力が臨界に達し、そこに湯気の立つような「場」ができた。 午後、工務店の作業場を取材・撮影。 8メートル以上の長尺物が所狭しと積まれたなかで 大工さんたちが継ぎ手や仕口の刻みに、余念がない。 口と口とを合わせてはノミやカンナで調整し ぴたりと合致するまで、 何度となく重い材を持ち上げ、組んではまた、刃物を入れる。 細かな木屑が舞う作業場は カメラとレンズにとって最悪の環境だが、 ここではぼくが、つい夢中になってシャッターを切った。 黙々と手を動かす職人仕事をじっくりと見られた日。 気分はいい。 ▲ by riverpress | 2007-01-20 21:02
今週から来週にかけてが、『家と人。』14号の取材のヤマ場。 17日の沢内村も、例年だと2メートル近くの積雪だが、 わずかに路面が凍結してるだけ。車での移動もすこぶる楽だった。 暖冬に感謝だ。 寄稿も続々と集まる。 取材も撮影も、同じ人、同じ場所に会ったり、 通ったりするわけではなく、それだけにいつも緊張する。 事務所を出る前には、いまも何度もトイレに通う(出るわけではないのに)。 いい人だといいなあ…という不安はしかし、 ほとんどの確率で裏切られる。 世の中、そんなに悪い人はいないものである。 未知なる出会いにおののきはするが かたちやマニュアルのない、目に見えないものこそ、重きをなす。 こんなことに気づいたのも、最近のこと。 遠い場所の旅も悪くはないが この地で永続的かつ猥雑に続く暮らしのなかに、 実直な光を見出し 生きようとする人たちとの出会いもまた、いい旅である。 ▲ by riverpress | 2007-01-19 23:22
日本語の衰退が叫ばれて久しいけれど メールやらブログやら 有史以来、いわゆる文章の素人さんが こんなにも日本語を使いこなす時代なんて、なかったんじゃないだろうか。 文字を書いたり、文章を編んだりして食っている ぼくたちのような職種が経済的に苦しくなるのは、当然でもある。 素人はもともと「白人」で 芸もないくせに、おしろいばかり塗ったような芸人をさした。 それに対する言葉が「くろひと」。 中国では「黒」のことを「玄」ともいうので、「玄人」となったようだ(注)。 そうして考えれば 自分たちだって、たいした芸や技もないくせに カッコばかりつけている「白人」の域を出るに至ってはいない。 ホームランを打てるのは100試合に1本程度。 万年2割バッターのような 仕事ばかりをして、日々食いつないでいるようなものだ。 今日だって わずか1200字程度の原稿にほぼ半日を費やした。 読み返すと、いまでも全部書き直したくなるような原稿だった。 推敲に推敲を重ね、3日もかければ、 少しはましな原稿を書けそうな気もするが 制限でのなかで最大の努力をするのもプロ、と割り切った。 とても大きな声じゃいえないが、この仕事で食い続けて27年。 いまだ「玄人」になれそうにないが 趣味や副業ではなく、この仕事1本でなんとか食いつないでいること、 日々この道の「玄人」になろうと苦しんでいること。 早い話、こうした自信のなさだけは、自信がある。 クライアントのみなさん、ごめんなさい。 いつもこうやって手を抜いて、言い訳ばかりしているんです。 今日も3本、手抜きしました。 ※注 『美人の日本語』(山下景子 幻灯社)参照 言葉に詰まったときに開くと、いつもヒントがもらえるいい本です。 ▲ by riverpress | 2007-01-16 23:25
雫石町の物件を取材・撮影。 九州から同地に移住したご家族の家である。 大学の名誉教授のご一家というので緊張して出向いたが、 玄関先で出迎えてくれたのは、ご主人と奥さまと娘さんの笑顔。 2年前に九州から『家と人。』バックナンバーを全冊取り寄せ、 仕事で岩手に来るたび土地を探し、工務店を選んだ。 官舎生活を約40年。 ご家族にとっては初めての「マイホーム」となった。 掲載ページは1ページ。 文字数はせいぜい800字程度、写真の点数も5点が限度。 1時間で仕事を終わらせようと思っていたが お宅を出たのは2時間後。 美味しいコーヒーや紅茶、手作りのケーキに舌鼓を打ち、 これまでご家族の歩んでこられた話に、すっかりと聴き入ってしまった。 帰り際、奥さまに1冊のノートを差し出される。 家を訪れた人には必ず、一言書いてもらっているのだそうだ。 なんて素敵な習慣。 日付と名前、そして、汚い字で一言書かせていただいた。 禅語のなかに「喫茶去」という言葉がある。 「むずかしい話は抜きにして、まあお茶でも召し上がれ。 お平らに、お楽にという意味」(『禅林名句辞典』国書刊行会)である。 家の居心地を決めるのは 建築家や工務店の設計・施工のあれこれではなく、 この「喫茶去」に尽きるようだ。 おかげですっかり気持ちがお平になった。 お礼を述べ、玄関を出て車に乗り込み、ふと窓を見ると、 ご家族全員がガラスに顔をくっつけて、「バイバイ」している。 こういうのに、弱い。 ▲ by riverpress | 2007-01-15 22:10
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